ソニーが新しいフラグシップ級のワイヤレスイヤホン「WF-1000XM6」を2月27日に発売します。1000Xシリーズといえば、近年のモデルはハイレゾ対応の高音質と強力なアクティブノイズキャンセリング機能を特徴としています。ライバルのアップル「AirPods Pro 3」とボーズの第2世代「QuietComfort Ultra Earbuds」を揃えて、3つの人気モデルの実力を比べてみました。
↑中央がソニー「WF-1000XM6」。左はボーズの第2世代「QuietComfort Ultra Earbuds」、右がアップル「AirPods Pro 3」。
それぞれに魅力的なワイヤレスイヤホンですが、今回はサウンド、アクティブノイズキャンセリング(ANC)の消音性能、フィット感の3点に狙いを定めながら比較しています。
音質についてはAirPods Pro 3が唯一ハイレゾ再生に対応してないため、なるべく条件を横並びにできるよう、コンテンツプレーヤーを筆者所有のiPhone Airに固定。Apple Musicの楽曲やNetflixで配信されているビデオコンテンツを視聴しています。
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最初にソニーのWF-1000XM6を報告してから、アップルとボーズは「ソニーとの違い」に意識を向けて、各ワイヤレスイヤホンの特徴をレポートします。
また限界を超えた!音質・ノイキャン性能はフラグシップの貫禄
WF-1000XM6のサウンドは、ソニーの開発チームと、音楽制作の最前線で活躍する世界の著名なマスタリングエンジニア4名が一緒にチューニングを手がけています。1000Xシリーズが目指すのは「音楽クリエイター=アーティストが意図するサウンドを忠実に再現すること」。楽曲制作に携わるマスタリングエンジニアと組むからこそ、多くのアーティストが理想とするサウンドに近づけると、ソニーの開発チームは考えたわけです。
↑1000Xシリーズの最新ワイヤレスイヤホン、WF-1000XM6はデザインも大きく変わりました。
その甲斐あってか、筆者もWF-1000XM6のサウンドに自然な心地よさを感じました。筆者は音楽をオーディオ機器で聴くだけでなく、定期的にコンサート・ライブ会場に足を運んで、生演奏を聴くことを趣味にしています。WF-1000XM6のサウンドは、ひとことで言えば生演奏の空気が感じられます。ボーカルは透明感が高く、声の輪郭がくっきりと浮かび上がります。楽器の余韻にも豊かさが感じられます。
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どんなジャンルの音楽を聞いても、リアリティを実感できると思いますが、強いていえばボーカルやアコースティック楽器の音色に耳を傾けると、WF-1000XM6の「自然さ」がよくわかるはずです。
↑搭載するさまざまな機能をSoundConnectアプリから設定・コントロールできます。
ANCをオンにすると、人の声や交通騒音など、コンテンツのサウンドを楽しむときに不要な環境ノイズがシャットアウトされます。リスニング中のサウンドは、音像の輪郭や質感がANCの力強さによって押しつぶされることなくバランスを取れるよう、とても丁寧にチューニングされています。外音取り込みモードとの切り替えにも不自然さを感じません。
↑側面にロゴのプリントが。内蔵するノイズキャンセリング用のマイクも強化しています。
ただし試用を始めた頃、筆者はイヤホンとイヤーピースのフィット感を調整する段階で手こずりました。実はWF-1000XM6は、前機種からデザインが大きく変わっています。楕円形の“そら豆”のような形状をしているのですが、本機に付属する専用のイヤーピースがやや肉厚なことと相まって、耳にぴたりと収まるポジションを見つけるまでに時間がかかったのです。
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本格的に使い始める前に、本機専用のSoundConnectアプリの「デバイス設定」メニューから、「装着」の中にある「最適なイヤーピースを判定」を済ませるべきでしょう。耳に合う最適なサイズのイヤーピースを装着すれば、WF-1000XM6のサウンド、ノイズキャンセリングの遮音効果が最大化されるからです。
↑「最適なイヤーピースを判定」をはじめ、オーディオイコライザーや音楽配信アプリ連携などさまざまな機能を搭載しています。
2週間ほどWF-1000XM6を試用してみて、サウンドとANC機能の消音性能の向上は大きな魅力だと感じています。ただし、本機の実力を引き出すためのフィッティング調整には少々シビアさが求められるかもしれません。個人差はあると思いますが、購入を本格検討する段階では、ショップなどで必ず実機を試着してみるべきです。
先進性でリードするアップルのAirPods Pro 3
アップルのAirPods Pro 3は、特に多くのiPhoneユーザーに愛用されているワイヤレスイヤホンです。ワンタッチペアリングや、iPhoneにペアリングするとユーザーの心拍データが記録できるほか、外国語のリアルタイム翻訳やヒアリング補助など多彩な機能が使えるようになります。
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↑アップルのノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Pro 3。
機能の多彩さではソニーの1000Xシリーズも引けを取りませんが、どちらかと言えばオーディオリスニングやハンズフリー通話の使い勝手を高めるためのものが多く、オーソドックスな印象を受けます。リアルタイム翻訳のように意外性と実用性を兼ね備える先進機能を、例えばソニーのXperiaシリーズのスマートフォンと連携しながら実現してほしいと筆者は思います。
かたやAirPods Pro 3のサウンドも、WF-1000XM6と同じくバランスの良さに特徴があります。さまざまなタイプの音楽、その他コンテンツのサウンドの魅力を自然に引き出してくれるので、長くリスニングしていても疲れません。ただ、筆者はWF-1000XM6の方がサウンドの響きが豊かで、情緒に訴えかけてくるような濃厚さがあると感じます。
↑iPhoneとの連携により実現する「リアルタイム翻訳」も画期的な機能の一つです。
ANCの効果はWF-1000XM6の方が強さの点でやや上回っています。ソニーの独自設計による専用イヤーピースのパッシブな遮音効果が高いからでしょうか。しかし何度も言うようですが、そのぶんフィッティングの調整はややシビアです。AirPods Pro 3の「より素早く着脱してフィッティング調整ができる手軽さ」は大きな魅力だと改めて実感しました。
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シンプルさを徹底したボーズのQuietComfort
ボーズのQuietComfort Ultra Earbuds(以下:QC Ultra)は2025年8月に発売された第2世代のモデルから、周囲の環境音の変化に応じて、ノイズキャンセリングと外音取り込みのバランスを柔軟に調整する「ActiveSenseテクノロジー」の機能を前面に打ち出しています。
↑ノイズキャンセリングの元祖、ボーズのQuietComfortにも最新のワイヤレスイヤホンがあります。
同時に消音効果を最適化するほか、サウンドもより中低域のエネルギー感を引き立たせています。初期のQuietComfortシリーズのヘッドホンのようなパワフルなボーズサウンドの味わいを筆者は感じます。ロックにポップス、アップテンポなジャズの演奏がとても楽しく聴けるイヤホンです。
飛行機の機内、地下鉄の車内などに響く“強いノイズ”に対する消音効果は、ボーズのQC Ultraが最もパワフルに消音してくれます。独自の楕円形イヤーチップと、外耳のくぼみに固定するスタビリティバンドによるフィット調整は、筆者の耳と相性が良いようです。
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この点では、筆者にとってボーズのQC Ultraはとても扱いやすいワイヤレスイヤホンです。ただ、繰り返しになりますが、ワイヤレスイヤホンの装着感の相性には個人差があるので、必ず購入前に試着することをおすすめします。
QC Ultraにも専用のモバイルアプリ「Bose」があります。ステレオ録音のサウンドに自然な立体感を加える「イマーシブオーディオ」など、サウンドリスニングをいっそう楽しくする機能がひと通り充実しています。使いやすく、完成度も高いと筆者は思います。
一方、WF-1000XM6のようにユーザーの行動パターンによって自動で外音取り込みの強弱調節をかける「アダプティブサウンドコントロール」といったセンシング系の機能はQC Ultraにありません。よりシンプルに、「音を聴く」ことに集中したい方にはボーズのQC Ultraがベターと言えるかもしれません。
↑「イマーシブオーディオ」による立体再生の完成度も高いイヤホンです。
既存の1000Xユーザーも体験してみる価値がある
価格とカラバリについても言及しておきましょう。WF-1000XM6は、ソニーストアの販売価格が44,550円(税込)で、カラバリはブラック・プラチナシルバーの2色。AirPods Pro 3のApple Storeでの販売価格は39,800円(税込)で、AirPods Proシリーズ伝統のホワイト1色のみを展開します。ボーズのQC Ultraには全5色のカラバリがあり、通常時の販売価格は39,600円(税込)ですが、筆者が本稿を執筆している2月13日時点では公式オンラインショップの特別価格として33,660円(税込)で販売されていました。
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3つのモデルの中ではWF-1000XM6が最も高価ですが、特にサウンドとノイズキャンセリングについては、1000Xシリーズの限界を突破したと言っていい手応えを感じられると思います。加えて、一新されたイヤホンのデザインにも新鮮味が感じられるでしょう。いま1000Xシリーズを愛用している方も、ぜひそのサウンドを聴いてみてください。
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