Vol.159-3
本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はアップルがグーグルの生成AI「Gemini」の技術を「Apple Intelligence」に活用する話題。他社の技術を用いる必要性が生まれた要因は何か。
今月の注目AI
アップル
Apple Intelligence
iPhoneやiPad、Macで利用できる“アシスタント”的なAI。情報はデバイス内で処理されるため、セキュリティ面での安全性が高い。ただしChatGPTやGeminiなどの生成AIと比較して、その立ち遅れが指摘されている。
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↑AIレースで遅れを挽回できない「Apple Intelligence」。
スマートフォン上で動くAI向けには、クラウドで動く最新の大型AIモデルだけでは成り立たない。コストを抑えたり、プライバシーを守ったり、反応速度を上げたりするには、オンデバイスAIを組み合わせることが必須となる。
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一方で、オンデバイスAIはモデルが小さいがゆえに、賢さの面ではどうしてもクラウド上のAIに劣る。
では、どうしたらいいのか?
アップルやグーグルが考えているのは、「プライベートなクラウドAIを併用すること」。この技術は、アップルでは「Private Cloud Compute」、Googleでは「Private AI Compute」という名前で呼ばれている。細かな仕組みやハードウェアの構成は異なるものの、考え方自体は似ている。
AIの処理内容によっては、デバイス内の処理能力だけでは追いつかないことがある。そのときには処理する先をクラウドに変える。しかし、このクラウドは一般的なものではない。一時的に「その人専用のAI処理クラウド」を用意し、処理が終わったら速やかにデータも記録も捨てる。正確に言えば「記録しない」。こうすることでプライベートな状態を維持しつつ、処理能力が必要なときにはクラウドを使うことができる。
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メーカーにとってクラウドの運用コストは負担だが、スマホのAI処理性能が上がる、もしくはAIモデルの改善によって必要な処理負荷が減ると、クラウドへの依存度を減らしていくことも可能になってくる。
グーグルでAndroidのプラットフォームエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるエリック・カイ氏は、「こうした3つのAIの使い分けは、我々にとって最先端の悩みであり、明確な答えが出ているわけではない」と語る。しかし、「すでに必須の考え方である」とも話す。
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スマホの中で賢くAIを使うには、AIモデルの使い分けが必須になる。グーグルやアップルはOSの中でそれを積極的に行い、サムスンなどはその上で自社AIを使って差別化要素を追加していくことになる。
そして、なによりも大きな課題になるのは「AIで実際に何をするのか」ということだ。そこはAIモデルの賢さだけでなく、ソフトやサービスをどう設計するか、という部分が大きい。少なくとも現行製品において、どのスマホメーカーも「AIがあるからスマホを買いたい」という機能を実現してはいない。
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では、そんな「スマホが買いたくなるAI」はどういう形で生まれてくるのだろうか? それは次回説明したい。
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The post 【西田宗千佳連載】スマホ向けAIの“第3の道”。プライベートなクラウドAIとは? appeared first on GetNavi web ゲットナビ.
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