GetNaviの読者のみなさんはじめまして。私は動画を中心にしたテックメディア「Gadgetouch」の編集長を務めているリンクマンと申します。仕事でさまざまなガジェットに触れる機会は多いのですが、結局いつもApple製品を使っているんです。この連載では、そんな人間が改めて「なぜAppleを選ぶのか」を言語化していきます。
学生の頃から気づけばAppleを選んでいた
Apple製品を最初に買ったのは、自分が18歳の頃。音楽の専門学校に通っていた頃のことです。
教室に置いてあった「Power Macintosh G3 DT266」に触れたとき、それまで見てきたパソコンとは何かが違うと感じました。文字が綺麗で、デザインに惹かれる。そんな漠然とした印象でしたが、気づけば中古のMacを自分で買って、インターネットにつないで、少しずつ使い込んでいました。
続きを読む
周りにはMacを使っている人が多かったため、違和感はあまりなかったのですが、当時はいまよりもっとWindowsが主流の時代。そんななかで、Mac以外を選ぶという考えはまったくありませんでした。いま思えば、あの頃からすでに、Appleの製品には理屈より先に感じさせる何かがあったのだと思います。
↑毎日のように持ち運ぶのはやはりApple製品が多い
それから気づけば、iPhoneが出て、iPadが出て、Apple Watchが出て、いまの自分の手元にはApple製品が揃っています。誰かに強くすすめられたわけでも、深く考えて選んだわけでもありません。気づいたら、そうなっていた。そんな感じです。
続きを読む
ただ最近、改めて「自分はなぜ、Appleを選び続けているんだろう」と考えることがあります。
きっかけのひとつは、つい先日のApple製品の値上げです。MacやiPad、HomePodなどが一斉に、平均しても20%以上の値上げ。正直、これは困ります。財布へのダメージは素直に痛い。AI需要でメモリーの高騰が……という理由は理解できるのですが、「さすがに高いよな」と思ったのも本音です。
それでも、今年の新しいiPhoneも買うんだろうなと、なんとなく思っています。もちろん仕事柄というのもあります。ただ、本当にただ仕事だけが理由なら、これだけ値上がりしたいま、「今年は見送ろう」という選択肢が出てきてもおかしくない。でも、その選択肢が自分の中にほとんど浮かんでこないのです。この感覚はいったい何なのだろう、と改めて考えるようになりました。
続きを読む
長く使っていると、理由が空気みたいになってしまいます。そこにあって当たり前で、もはや意識もしない。でも、それをちゃんと一度言葉にしてみたいと思いました。この連載は、そのための場にしたいと思っています。
本格的にハマったのは、iPod touchだった
Macを使い始めたことがAppleとの出会いだとすれば、本格的にハマったきっかけはiPod touchでした。
2007年、AppleがiPhoneを発表したときのことはいまでも鮮明に覚えています。Steve Jobsのあのプレゼンの映像はいま見てもワクワクしますし、個人的にこれまで見てきた製品発表の中で一番好きなものです。
↑左は日本で発売されなかった初代iPhone、右は初代iPod touch
続きを読む
ただ、初代iPhoneは日本で使えませんでした。そこで飛びついたのがiPod touchです。電話機能こそありませんでしたが、あのタッチスクリーンのUIをそのまま体験できる。指で画面をスワイプして、ピンチでズームする。それまでのデバイスとはまるで操作の概念が違いました。触るたびに「こんな使い方があるのか」と驚かされた記憶があります。
あの体験が、Appleへのプロダクトの信頼感を決定的なものにしたと思っています。Macに惹かれたときの感覚が、iPod touchでさらに間違いないという確信に変わりました。
箱を開けた瞬間から始まり、常に持っておきたい魅力を放つ
仕事柄、Apple以外の製品に触れる機会は多くあります。Androidデバイスをレビューするためにサブ機として使うことは多々ありますし、以前は仕事でWindowsをガッツリ使っていた時期もありました。
続きを読む
どちらも、道具としては優秀だと思います。できないことはほとんどないし、使い勝手も正直何も問題はありません。ただ、Apple以外の製品を使っていると、あることに気づきます。Appleの製品には、プロダクトとしての魅力が際立っているということです。
↑いまや開封体験はもちろんのこと、環境にも配慮されたパッケージになっている
たとえば新しいApple製品を手にしたときの感覚は、ほかのデバイスとは少し違います。箱を開けた瞬間から、それは始まっています。フタをゆっくり持ち上げるときの、あの絶妙な抵抗感。本体を包むフィルムの質感、電源を入れた瞬間に広がる画面の美しさ。
いまでこそほかのメーカーも開封体験にこだわるようになりましたが、それはAppleが「製品は箱を開ける瞬間から始まる」ということを示した最初のブランドのひとつだからだと思っています。使い始める前からすでに気持ちが上がっている。それがAppleの製品には毎回あって、そこにもプロダクトとしての魅力を感じています。
続きを読む
毎日持ち歩くうえでも、その差は少しずつ積み重なっていきます。カバンの中に入れておきたいと思えるか、机の上に置いておきたいと思えるか。そういう常に手にしておきたいと思わせる感覚も、Appleの製品は持ち合わせています。道具としての性能だけでは語りきれない部分です。
連携の高さが積み重なり、心地よさが深まる
もうひとつ、使い続けてきて強く実感していることがあります。すべての連携が、心地いいということです。
iPhoneで撮った写真は、MacでもiPadでもすぐに見られます。外出先でiPhoneにメモした走り書きが、家に帰ってMacを開いたときにはもうそこにあります。Apple Watchで記録した毎日の活動データも、iPhoneですぐに確認できます。どの端末を使っていても、自分のデータが常に最新の状態で手元にある。そのつながりが、いちいち意識しなくても当たり前に機能しています。
続きを読む
この心地よさが、気づけば毎日の前提になっています。「あのデータはどの端末に入れたっけ」という状況が、Appleのエコシステムの中にいるとほとんど起きません。地味な話ではありますが、毎日のことだからこそ、そこを意識せずに使えることの大切さを感じます。
そしてこの連携の心地よさは、使えば使うほど深くなっていきます。新しいApple製品が加わるたびに、それまでの製品とのつながりがさらに豊かになる。気づけば、そのつながりの中に自分の生活がすっぽり収まっています。
「なんとなくAppleを選ぶ」理由を言葉にしていく
この連載を始めるにあたって、編集者の方に「なぜAppleを選ぶのか、改めて言語化できますか?」と聞かれました。正直、すぐには答えられませんでした。
長く使っているからこそ、逆に言葉にしにくい。ただ、その「なぜ」を一度ちゃんと言葉にしてみることは、いまの自分には意味があると感じました。
続きを読む
振り返ってみると、あの専門学校の教室でMacに触れたことが、いまの自分の仕事につながっています。テクノロジーについていろいろな場で発信をするようになったのも、Appleの製品に惹かれたあの頃の感覚が出発点にある気がしています。
Appleの製品が自分の人生に影響を与えてきた、と言うと大げさかもしれません。ただ、あの出会いがなければいまとは違う場所にいたかもしれない、とは思います。
Appleを「選んできた」というより、気づいたら「離れられなくなっていた」という方が正確な気がしています。値上がりしても、新製品の情報は気になってしまう。それはたぶん、機能や性能だけでは説明しきれない何かが、Appleの製品にはあるからだと思っています。その何かを、この連載でもう少し丁寧に掘り下げていきたいと思っています。
続きを読む
次回からは、さらにさまざまな角度から掘り下げていきます。プライバシーへの姿勢、デバイス間のシームレスな連携、Apple Storeでの購入体験、周囲のヘビーAppleユーザーへの話など、多様な視点でAppleという選択を見ていく予定です。
「なんとなくAppleを使い続けているけど、その理由をうまく言えない」という方に、少し刺さる連載になればうれしいです。
The post テック系メディアの編集長はなぜいつもApple製品を選ぶのか appeared first on GetNavi web ゲットナビ.
記事一覧に戻る