Vol.164-1
本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回は、メモリー価格高騰の影響を受けたPCやスマートフォンの“値上げ”や“新製品の開発中止”の話題。今後しばらくこの状態は続くのだろうか。
今月の注目アイテム
アップル
MacBook Air
22万4800円(13インチモデル)~
↑「M5」を搭載し、高速なCPU性能と各コアに「Neural Accelerator」を備えたGPUを搭載。クリエイティブな作業から複雑なAIタスクも余裕でこなせる性能を持つ。ストレージの最大容量は4TBまで選択することが可能だ。
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メモリー不足が要因の価格高騰が続く現状
メモリー不足によるIT機器の高騰が始まって、そろそろ1年が経過しようとしている。このことはPCやスマートフォンなどの値上げに波及し、われわれの懐具合を直撃しつつある。
6月25日にアップルは、MacやiPadなどの大幅値上げを発表した。実は筆者は、値上げ開始直前にMacBook Airの15インチモデルを発注した。6月中旬の発注時に36万円くらいだった製品が、値上げ後には48万円にまで値上がりしている。
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理由はメモリーとストレージの価格高騰だ。アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は、インタビューの中でメモリー高騰について触れ、「残念ながら値上げは避けられない」と語った。その直後に同社は価格を上げた。メモリーやストレージの価格高騰により、値上げせざるを得ない状況に置かれ、ギリギリのタイミングでの告知だ。
メモリー高騰に苦しめられているのはアップルだけではない。スマホメーカーのNothingは、同社の価格重視ライン製品「CMF Phone」シリーズについて、メモリー高騰を理由に今シーズンは新製品を発売しないと予告した。またシャープも、低価格モデルの「AQUOS with」、ハイエンドの「AQUOS R」シリーズについて、部材価格高騰を理由に、現在は製品投入を見送っている状況だ。
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Windows搭載PCも例外ではない。JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)の統計情報から算出すると、2024年第1四半期におけるノートPCの平均単価は約11.98万円だった。同じく2025年第1四半期は約10.33万円だ。それが2026年4月には、約13.8万円にまで急騰している。アップルが値上げに踏み切るより数か月前、2026年に入ってからのPCの価格が、はっきり上昇していたのだ。
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廉価な製品ほど価格高騰の影響を受ける
販売価格が上がるのは、メモリーやストレージの調達価格が上がり、原価を押し上げているためだ。
メモリーのメーカー調達価格が4倍になったとしよう。あくまでこれは生産原価の一部だから、製品の価格が4倍になるわけではない。しかし、製品価格が安いものほど、原価にメモリーやストレージの価格が占める割合は大きくなる。過去には原価の2割だったメモリー・ストレージの価格が上昇すると、結果として原価全体は20%から30%上がる。そうすると、利益率を多少削ったとしても、価格は2割以上高くなる可能性が高い。
同時に、現在は円安が急速に進行しているので、われわれが製品を購入する価格はさらに高くなる可能性が高いのだ。
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2026年の秋にはスマホを中心とした新製品の登場が控えている。だが、それらも最低で2割、多くの製品では3割くらい価格が上がることを覚悟する必要がある。場合によっては、本来の計画ではメモリーなどを増量するはずだった製品で、搭載量が昨年のモデルと同じになる……という可能性もある。
こうした問題は当面解決できそうにない。業界内の予測では、最短でも2027年中は高騰が続き、その後も過去の水準までは下がらないと見られている。
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なぜメモリーは高騰したのか? その結果として製品やソフトにどのような影響が出るか? 次回以降で解説していく。
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The post 【西田宗千佳連載】懐直撃の値上げか、開発中止か? メモリー高騰が招いたガジェット界究極の2択 appeared first on GetNavi web ゲットナビ.
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